8月23日(土)の教室の振り返り
今回の教室では驚いたことに皆さん(私を含め)冬よりも脚の動きが鈍いことが分かりました。
その原因は冷房による体の冷え、特に脚の冷えにあると考えられます。
冷房の冷気は冬の寒さ以上に足先を冷やすと考えられます。
そこで今回は「モウバンゴン」と「推掌」を取り入れて、脚をしっかりと動かしました。
暑い時期の脚の運動はつい避けてしまいがちですが、今後は意識して取り入れていきたいと思います。
夏の健康管理は冷房で冷えた部屋でも「モウバンゴン」や「推掌」といった脚の運動を行うことが大切です。
この時期も脚を動かして体調維持に役立てていきましょう。
今回の教室では(6-6)展臂舒胸(ジヤンビイシユウシオン)を指導しました。
日本語訳は『腕を広げ、胸を張る』です。
「展臂舒胸」の意味
・展=広げる
・臂=腕
・舒=ゆるめる・のばす
・胸=胸
つまり「腕を広げ、胸をゆるめて開く」という意味を持ちます。
【準備姿勢】
足幅は肩幅に開き、つま先を正面に立つ
【動作手順】
G1:お腹前で右手の上に左手を重ね、両腕を少しずつ開きながら上に伸ばす。
このとき顔は上を向き、ゆっくりとつま先立ちになる。
G2 :両腕を前におろし、お腹の高さまで来たときに左手の上に右手を重ねる。
踵をゆっくりと下ろし正面を向きさらに手を下ろす。
G3~G4:G1からG2の動作を左右逆に行う。
G5~G8:G1からG4を繰り返す
※G1からG8は練功十八法音楽号令1から8の意味
【動作のポイント・注意点】
両腕をあげるにつれ手のひらを迎え合わせにして少し開いて伸ばす。
両手を開き過ぎない(肩幅から少し開く程度)
踵はゆっくりと上げ、ゆっくりと下げる(踵を上げる意識と下げる意識を分けずに上げ下げ1つの意識で行う)
【適応症】
・気管支炎
・胸苦しさ
・ストレスの溜まっている人の解消
・慢性呼吸器疾患
・消化不良
【今回の教室での(6-6)展臂舒胸への取り組み】
1.壁に手を置き10秒掛けて踵を上げ、10秒掛けて踵を下げるエクササイズを行い、エクササイズ前と後の(6-6)の変化を診る
エクササイズの意図は下腿三頭筋(ふくらはぎ)に意識を持つために行いました。
2.足の指・足首回しを左右10回ずつ回すエクササイズを行い、エクササイズ前と後の(6-6)の変化を診る
エクササイズの意図は下肢関節の動きを滑らかにして地面との繋がりを強くするために行いました。
3.3秒(吸う)2秒(留める)15秒(吐く)呼吸のエクササイズを行い、エクササイズ前と後の(6-6)の変化を診る
エクササイズの意図は呼吸を整え集中力を高めることで踵の上げ下げ動作を安定させるために行いました。
展臂舒胸は『心肺機能を高め、気分をさわやかにする』ための動作です。
腕を伸ばし、肩まわりをゆるめることで、その効果は得られますが
下半身が不安定だと肩や胸に力みが生じてしまい逆効果になってしまいます。
そのため指導の際には脚の安定を重視しますが、本来の目的は脚力強化ではなく、呼吸を深めて心身を整えることです。
展臂舒胸がそのような動作だと考えると練功十八法の最後にふさわしい動作ですね。
かしまだ練功クラブ 本間良三