○9月13日(土)教室の振り返り
今回の教室では偶然にも参加者のみなさんの右腰が動かず骨盤に歪みが見られ馬歩が右に傾いている人が殆どでした。
もちろん原因は人それぞれ異なります。
前回の教室と同様に下半身の歪みは「モウバンゴン」と「推掌」で整えました。
今回の「推掌」は一人で両手で丸太を抱えるイメージで行ってみました。
両手で丸太を抱えながら行うと上半身と下半身の動きがバラバラにならず行え体が整います。
自分一人でやるときにしっくりこないときは、はじめは丸太を抱えるイメージで行ってみて下さい。
今回の参加者のみなさんのように腰・骨盤が歪んでいると首肩の動作であっても効果は半減してしまいます。
前回の教室同様に先ずは土台を整えてから行うことが最大限に効果が得られる方法だと考え今回の同じ手順で行いました。
○今回の動作指導
今回の教室では(1-1)頸項争力(ジンシアンヂェンリィ)を指導しました。
日本語訳は『首の力くらべ』です。
「頸項争力」の意味
・頸=頸前面
・項=頸後面
※『頸項』で『首全体』という意味
・争=あらそう
・力=ちから
※『争力』で『ぶつけ合う・上下左右に拮抗させる張力(対拔)』
【準備姿勢】
両足は肩幅に開き、つま先を正面に向けて立つ、両手は親指を後ろに向けて腰におく
【動作手順】
G1:頭をゆっくりと左へ回せるかぎり回す(顔・視線は左)
G2:ゆっくりと準備姿勢に戻る
G3:頭をゆっくりと右へ回せるかぎりまわす(顔・視線は右)
G4:ゆっくりと準備姿勢に戻る
G5:頭をできるだけゆっくり上に向け天を見る
G6:ゆっくりと準備姿勢に戻る
G7:頭をできるだけゆっくり下に向け、下を見る
G8:ゆっくりと準備姿勢に戻る
※G1~G8は音楽号令1~8の意味
【動作のポイント・注意点】
左を向いたときには右に、右を向いたときには左の胸鎖乳突筋に突っ張る感覚(酸脹感)がある
首をできるだけ大きく動かすこと、このときに首や肩の後ろにある僧帽筋を意識して動かすようにする
首をまわすときに、あごや肩などが出やすいので注意する
上を向くときにあごの動きで喉を十分に伸ばす
下を向くときは、下あごが胸骨柄に着くようにして僧帽筋などの後頚部を引き伸ばすようにする
頭を動かすときは上体をまっすぐに起こしておく
【適応症】
・寝違い
・ムチウチ症
・首の筋を痛めたとき
・頸椎症
・肩こりなど
【今回の教室での(1-1)頸項争力への取り組み】
1.効能を得るため「モウバンゴン」と「丸太推掌」で下半身を整える。
2.イスに座りながら(1-1)を行い、「脚のツボを押し」をしてから(1-1)の変化を見る。
※イスに座って行ったのは土台が安定している(1-1)を体験してもらい、さらに「ツボ押し」をすることで脚を充実させることで首の動きがどのように変わるかを見てもらいました。
3.イスに座りながら(1-1)を行い「足指・足首まわし」を行い(1-1)の変化を見る。
※2.の「ツボ押し」と同じ意図で「足指・足首まわし」を行いました。
最後に【動作手順】に書いてあるように(1-1)頸項争力は「できるかぎりゆっくり動かす」がポイントです。
このことは練功十八法全部の動作に言えることです。
私見ですが練功十八法の最初で『できるかぎり、ゆっくり動かしやすい頸項争力』を行うことは、このあとの『練功十八法の動作全部をゆっくりとしたリズム』で行うようにしてあるのかもしれませんね。
ゆっくり動かせるのも土台がしっかりしているからということを忘れずにいて下さい。