ここのところの寒暖の差のせいか参加者の皆さんは脚の使えていない状態でした。
そこでやることは、いつもと同じように土台作りを中心とした教室指導になりました。
ただ私が10月12日(日)に左足の薬指を骨折してしまい、お手本が見せられない状態での指導で参加者の皆さんには、ご迷惑をお掛けしました。
m(_ _)m
季節の変わり目で脚が使えない状態は、暑いときの冷房で脚が使えないときよりも、気は下に行かず、”のぼせ状態”が強いように感じられました。
〇今回の動作指導
今回取り組んだのは「(1-4)開闊胸(りっしんべんに不)」※(「不」にりしんべんを付けた字で常用漢字にはありません)
日本語にすると「胸を広げる」という意味です。
「開闊胸(りっしんべんに不)」の意味
・開=ひらく、広げる、通す、始める
・闊=ひろい、ゆったりした、おおらかな
「開闊」=心や視野が広い 胸懷開闊(心の広い人)
・胸=むね、心、思い、感情
・(りっしんべんに不)=「快」「愉」「伸」と同系
※「杯」が(きへん)でなく(りっしんべん)ということ
=「心身をゆるめる、呼吸を通す」といった感じ
【準備姿勢】
・両脚は肩幅に開き、つま先を正面に向ける
・両手は体からやや離し、右手の甲の上に左手を重ね合わせる。
注:手の上がりにくい人は患部側の手を常に上に乗せあげる
【動作順序】
G1:両腕を伸ばし左手を上にして両手を交差させたまま頭上にあげる(目は指先を見る)。
G2:両手を左右に分けて開いて、左手を見ながらおろす。右手を上にして、準備姿勢にもどる。
G3~G4:G1~G2の動きを右手を上に重ね、右手を見ながら行う。
G5~G8:G1~G4と同じ動きを繰り返して行う。
【動作のポイント・注意点】
・肩をゆるめて両腕をのばす。
・胸を広げるようにして前腕を外にまわし、腕を左右に広げて行く。
・手を上げるとき腕が曲がったり、お腹が前に突き出ないように気を付ける。
・両腕をおろすときに胸を開くように両腕をできるだけ後ろに持って行き広げる。
・前腕を外にまわす(手のひらを後ろへ向けるようにする)。
○動作を行ったときの身体感覚
・両手を上げたときに首、肩、腰に張り感(酸脹感)がある。
【適応症】
・肩関節周囲の炎症、機能障害
・首、肩、腰の疲れや痛み
【教室での取り組み】
1.モウバンゴンを10往復
2.イスに掴まり馬歩を10秒掛けて下げ、10秒掛けて上げるを5回
→1.2.は脚が使えず”のぼせ”になっている状態を改善する意図で行う。
3.立って(1-4)を行い、座って(1-4)を行い立位と座位での違いを感じる。
→立位と座位での(1-4)を感じてもらい土台の違いで動作の質が変わることを確認してもらう意図で行う。
4.座って(1-4)を行うときに足裏をしっかり床に付ける(押し込む)ようにして行う。
→床を受け止めて(1-4)を行うことで上半身に力が入らなくなることを覚えてもらう意図で行う。
5.パートナーに手のひらを擦ってもらい大きな虎口(ふうこう:練功十八法での手のひらを開いた形)を作って(1-4)を行う
→末端(手のひら)に意識を置くことで中心(肩、胸など)に力が入らないことを覚えてもらう意図で行う。
6.イスに掴まって馬歩の上げ下げをゆっくりと5回行ったあとに立って(1-4)を行い馬歩前と後の(1-4)の違いを感じる。
→土台がしっかりとした状態での(1-4)を感じてもらう意図で行う。
○まとめ
今回は指導する側の私が気を下げれない状態だったためか、はじめは何となく落ち着きのない教室だったと感じました。
しかし、教室を進めるうちに皆さんが自分の体の動いていないところを意識することで、体も教室の雰囲気も修正されていることを感じ取れました。
意識を向けるだけで体は自然に本来の状態へと戻って行きます。
意識とは”光を当てる”こと。
光が当たれば、気は流れはじめます。
どうぞ、いつも”自分を感じながら”練功を行ってみてください。